デーリィたぬき通信

たぬきがウシと奮闘するブログ

おやすみ、ボス

先週は出ずっぱりでそのままニセコ旅行、頭の中がぽや〜んとしたまま1週間ぶりくらいに出社した。
当番をどうにも調整できず久々の仕事は搾乳からスタート。ねむい。

搾乳を終えると足元に猫たちが集まってくる。
いわゆる【牛舎猫】というやつだ。
猫の数は増減するが、たぶんいまは6匹くらいが住みついている。
名前がついているのは【ボス】だけ。クリーム色で身体が大きく、目つきが悪い。見るからにボスだから、みんなボスと呼ぶようになった。
あとはみんなのお母さん猫、甘えん坊猫、お母さんの子猫3匹。
集まってはくるけど甘えてくる猫は少ない。人嫌いなのだ。
でも私がカリカリを出してくれることを知っていて、この瞬間だけやや近くから様子を伺っている。
唯一の甘えん坊は私と一緒にカリカリのしまってある場所までくっついてきてニャオニャオしゃべる。
普段はそんなそぶりを見せないボスも、ここぞとばかりにニャーオニャーオと甘えた声を出すが、今日は姿が見えない。
猫たちの期待の目線を背中に感じながらカリカリの入っている箱を開けたけど、中身が入っていなかった。土日の間に切らしたのだろう。
「あ〜〜今日はないね〜〜〜なくなっちゃったね〜〜ごめんね〜きっと今日◯◯さんが持ってきてくれるからね〜〜」と話しながら牛舎を後にした。
猫たちは「ないのかよぅ」みたいな顔をしてその場に留まっている。
ボスがいないのは珍しい。カリカリをもらったあとも、牛舎の前を通りかかる人に「ナーォ(ごはんはまだですか?)」と話しかけて何度もおいしい思いをする猫だ。
まさか、死んだのか。猫は死んだ姿を見せないというけど、旅立つためにどこかへ行ってしまったのか。
なんとなく気になって、朝のミーティングが終わったら様子を見に来よう、と思って事務所に戻った。

私がいない間牛舎では何が起きていたのかしら、と日誌をめくる。
概ね平常運転だったようだけど、水曜日の日誌の記入欄の端っこに、書いてあった。

ボス 死亡

牛に関することしか書かない日誌だけど、書かずにはいられなかったのだろう。
話を聞くと、牛舎の通路で冷たくなっていたらしい。写真も見せてもらったけど外傷はないように見えたから、老衰だったんだろう。
「自分の子どもと孫に囲まれて、幸せだっただろうね」と話した。
ボスはいつまでもボスで、子どもである甘えん坊猫はいつまで経ってもボスに脅かされてビビっていた。
つい最近、孫の猫がハトを捕まえようとモタモタしているのを見かけてすごい勢いで喉元に食らいつき、あっという間に仕留めた。
撫でられるのは嫌い(特にしっぽのつけね)だけど、抱っこは「嫌なんだけどなあ」という顔をしながら我慢していた。

ふてぶてしいボス。
ストーブの前から1ミリも動かないボス。

さようなら。またどこかで会えたらいいね。