デーリィたぬき通信

たぬきがウシと奮闘するブログ

住めば都、というけれど

こんばんは。とりあえず三日坊主にはならなくて済みそうです。

(まだブログの文体をである調にするかですます調にするかも定まってない)

 

今日は特におもしろいこともなかったので、最近読んだ本の感想を。

 

湊かなえユートピア

とある港町に住む3人の女性の視点で描かれる物語。

3人のうちひとり、菜々子の娘は交通事故により車いす生活を余儀なくされている。

また別のひとり、光稀の娘はひょんなことがきっかけで菜々子の娘と仲良くなり、彼女を題材にした詩が地元の新聞に掲載される。

最後のひとり、すみれはその事実を知り、彼女を広告塔に車いす利用者を支援するブランドを立ち上げる。

3人で始めたこのブランドは順調に支援者を獲得していくように思われたが…?

 

以下、ネタバレあり

 

解説・原田ひ香はこの物語を「主観と主観の殴りあい」と称していて、これがとてもしっくりきました。

物語の舞台となる港町は、大手企業の加工工場があることで吸収合併を免れた程度の田舎町。

主人公の3人はそれぞれ育ってきた環境が異なり、自分の住む町に抱いている感情も、周囲の人へ対する感情も異なります。

それぞれのものさしで、お互いを見下しあっている。

そして自分のものさしを曲げる気がないから、思いもよらぬ方向に物語が動いてしまう。

曲げる気がないというか、曲がっていないと思ってるんですよね。

「悪気がない」のがいちばんタチが悪いような。

 

うまいなと思ったのは「車」の描きかた。

首都圏で育ち、車のいらない生活も知っているし、車通勤必須な暮らしも知っていますが(今がそう)、最初は先輩が近づいてくる車を見て「あっ〇さんだ」というのを聞いて、「ひえ~~~田舎~~~~」と思ったのを覚えています。

車って車種や運転にかなり性格が出るよね。

別にこの小説のなかで車がキーワードになるわけではないんだけど、車とそれに関連した描写(レストランに停めてある車を見て、自分が一番のりではないことに気づく、のみたいな感じ)が印象に残りました。

 

この物語は、最初に書いた車いす支援団体関係の話だけでなく、もうひとつ謎が仕掛けられていて、最後の方に一気に物語が展開します。

読んでいる私も「え?え?」となっているうちに最後のページになってしまい、モワァとした読み終わり。

湊かなえさんといえば「イヤミス」で有名ですが、今回のお話は、救いどころがありつつもすっきりはしない感じでした。

 

東京からこの港町へ引っ越してきた光稀の、この言葉。

「田舎の主婦たちからどれだけ光稀さんはオシャレだと褒められても、東京の人たちから見れば、時代遅れの恰好をしているということを。」

私も昔、帰省するたびに「なんかイモくさくなったわねエ~~」と言われてやるせない気持ちになっていました。

しかし、菜々子は最後にこう言います。

「地に足着けた大半の人たちは、ユートピアなどどこにも存在しないことを知っている。」

スプラッシュマウンテンでうさぎどんが「笑いの国」を探し求めた挙句悪者に捕まってしまい、最後は自分の家こそが「笑いの国」だと気づくように、自分の居場所をユートピアにせんと行動することが必要なんだなと感じました。

 

ユートピア (集英社文庫)

 

本読むの好きなんですが、いちど読んだらそれきりなので、買うのは勿体ないんですよね。図書館に通うのは面倒だし……古本屋に行くのもなんか面倒だし、Kindleとかに登録したら無限にお金使ってしまいそうだし笑、まずは近くの図書館に行ってみようかしら。

さて、そろそろ寝ましょうか。おやすみなさい!