デーリィたぬき通信

たぬきがウシと奮闘するブログ

迷い犬

いっぴきの犬が職場に迷いこんできた。

2階の窓から、敷地内にたたずむ中型犬が見える。

特におびえているようには見えないが、「なんか普段と違うなあ」という顔をしている。

私を含めギャラリーは何人かいて、犬の動向を見守っていた。

 

そこへ車が1台近づいてきた。

ギャラリーである私たちは「誰が運転してる?」「〇さんだワ」「救助するのかな」と好き勝手におしゃべりしていた。

 

結構なスピードで車が犬に近づいたが、犬は相変わらずキョトンとした顔で車が迫ってくるのを見つめている。

犬の手前で車は止まり、運転席から人が降りてきた。やっぱり〇さんだ。

〇さんは開けたドアのそばでかがむと、拾った小石を犬に向かって投げた。

そしてそのまま車に戻り、後ずさりする犬をすごいスピードで追いやり、犬が方向転換したところで車を止めた。

バックして最初にやってきた方へと戻っていく。

「あ、別にそっちに用があるわけじゃなくて、犬を追い払いたいだけだったのか」と誰かが言った。

 

もしかしたら、犬嫌いなのかもしれない。

過去に嫌な思い出があるのかもしれない。

それでも、犬に石を投げ、追いつめるという行為はとてもいじわるなものに見えた。

誰かに襲い掛かったり、どこかを荒らしたわけでもない。

だれかの飼い犬かもしれない。

一部始終を見ていた私たちは、「ひどーい」と言いながら席へ戻った。

 

もちろん、〇さんは私たちが見ていることを知らなかった。

知っていても同じことをしたかどうかはわからない。

自分が見られていないと思っていても、どこかで誰かが見ていること、さらにそのときの行為がその人の本質のように思えることを実感した。

 

人のふりみて我がふり直せという。

私は「見られていない」と思うと完全に気が緩みとってもお行儀が悪くなるタイプなので、シャンとしよう。